株式会社スマートプレゼン

なるほど、そういうことなのか。

昨日はフリーズドライ食品のメーカーとして有名な天野実業の方のご講演を聞く機会がありました。

フリーズドライというと、文字通り、

まずは凍結させ

そして乾燥させる

という技術です。


最近、フリーズドライのお味噌汁の具などはほんとにおいしくなりましたよね。

技術が進歩したことはなんとなくわかるわけですが、なぜおいしいのか？がよくわかりません。

そこで、フリーズドライというものがどういう状態か？ということを示したのが冒頭のスライドです。

まず凍結すると、果物や野菜などの内部にある水分が凍ります（図の丸い部分）。

ゆっくり凍結すると水の分子が大きくなる。

はやく凍結すると水の分子が小さくなる。

その後、乾燥します。

すると凍った部分の水分が蒸発します。

つまり、図の丸い水分の部分がスカスカになるわけです。

この状態で保存されます。

そして水やお湯で戻すと、このスカスカ部分に水分が入り込んで、元の状態に近い形になるわけですね。

その際にスカスカが小さい方が元の状態に近く、おいしい。

つまりは早く凍結する技術が進んだことで、おいしくなった。

というメカニズムなわけです。


このロジックはめちゃめちゃわかりやすいですね。

そしてすばらしいのがそれを図１枚で可視化していることです。

この可視化することは特に技術系分野では大事。

目に見えにくい現象が「要はこういうことなんです！」という例えで示せること。

そのおかげで聞き手の頭の中には「共通の認識」が生まれます。

これがあるかどうか？

で聞き手の理解度は大きく異なるし、その後の話の理解度も大きく変わります。


研究者でプレゼンの上手な方はこの原理や概念の可視化がすばらしい。

iPS細胞の話でもまさにそうでした。

特に入り口でこれをやっておくことが大事ですね。

入口でついていけなかったら、聞く体制になりません。

聞く体制にならなかったらその後にいかに良い話をしても聞いてない（汗）。


冒頭のスライドがプレゼンの１枚目だったことにそのすばらしさを感じました。


目に見えないこと、複雑なことほど、こうやって「要はこういうことなんです！」を示したいものですね～