「食品」って何?

新名史典(しんみょうふみのり)

2011年05月04日 12:00



焼肉チェーン店の提供したユッケによる食中毒事故が問題になっています。
卸側が提案しただの、勝手に生食として使っただの、という水掛け論がなされていますが、それはおいておきまして。


驚いたのは、このチェーン店の社長のコメントです。


「ユッケを行政が規制してくれ!そうすべき!」


これは驚きました。

アホです。

食事提供する会社が、そのトップが、こういう意識でされていては困るんです。


私は本業で長く、食品衛生とその教育に関わってきました。

「食事」「食品」を提供するということがどういうことか?

どんなリスクがあるのか?

だからどうしなくてはならないのか?


こういうことをお話してきました。


今回の社長のお話は、「食品というものがわかってない」と言わざるをえません。


そもそも「食品」の定義はなんでしょうか?

国が認めたものが「食品」ですか?


規制なんて後からついてきたものですね。

問題があるものに対して後から決め事をつくったにすぎない。

農薬問題しかり。

そもそも規制なんかがあるはるか前から食文化はあるわけです。

食べてみて、経験的に毒がなかったものが残っている。

「食品」の定義があるとしたら、「食べれたら食品」になってしまう。

医薬品や食品添加物は違いますが(非常に厳しい規格がある)。

食品から薬事法で管理されている医薬品などを引いたものが食品ですからね。


まず、食品とはどういうものか理解する(リスク含めて)。

その上で、国の規制を理解してそれを守り、

規制のないものは、その食品の特性を理解してもっとも適切な提供方法と管理方法を自主管理にて行う。

場合によっては消費者に情報提供する。

それを「国の規制に頼る」という人は食事提供をしてはいけない。

プロの食事提供者として、変なものを購入するのは、購入する側の責任も大きいのです。


もっとも消費者の意識も必要です。

ユッケのリスクを知らずに食べてはいけない。

食べさせてもいけない。


「自己責任」ということをもっと考えなくてはいけないですね・・・




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